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『日本の所得格差と社会階層』(樋口美雄、財務省財務総合政策研究所) [書籍紹介]

 主な内容は以下の通りです。

1、所得格差の拡大はあったのか

2、日本における資産格差

3、パネル・データにみる所得階層の固定化と意識変化

4、階層再生産の神話

5、社会階層と階層意識の国際比較

6、教育における階層格差は拡大しているか

7、劣化する若年と自営業の所得構造

8、階層格差が若者の心理・行動に与える影響について

9、格差、平等論と社会政策の改革

10、消費の現場と階層意識

11、規制改革を通じた公平性の確保

12、なぜ所得格差が問題か

 多くの論者が豊富な資料に基づいて
論を展開していますが、私の目を引いたのは
博報堂生活総合研究所のデータでした。

 いくつかの項目について、日本の誇れることと思っている人の率を
示したものです。

 高い教育水準

           1992年:46.2パーセント

           2002年:23.1パーセント
         
           (213ページ参照)

 1992年から2002年の間に大学進学率が低下したのでは
ありませんから、「上級学校への進学率」は無関係かと思います。

 となると、小学生から大学生まで「勉強しなくなった」と考える人が
増加していると思われます。

 次に気になったのが、141ページの「国境を越えた大競争の時代」(中央教育審議会答申、2003年)という字句です。

 教育問題は国内だけ考えればよいのではなく、国外の情勢も踏まえながら
考えなければならないのは当然ですが、「競争」ではなく「大競争」という
認識が政府の諮問機関から提示されています。

 また、高卒者のうちフリーターになりやすいのは、中学時代の成績不振者が
多く進学する高校の生徒であることも明らかであると同ページに書かれて
います。

 教育に携わるものとして経験則で周知のことですが、大規模な調査の結果も
同じということです。


 ここで挙げたのは、本書の一部に関することなので、1人でも多くの方が
本書を熟読されることを願っています。

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